結 果 発 表 ( 2018 発表 )
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パリのセーヌ川にあるシテ島です。
遠い記憶というイメージで和紙との合成をしてみました。
ワールドカップ優勝おめでとう
何か特別なものが写っているという訳ではないけれど、パリの日常のシーンが独特な雰囲気で表現されています。また和紙と合成したとのことで紙の持つ質感が空や水に表情を与えストレートな写真とはまたひと味違った作品となっています。技巧に走れば良いというものではありませんが、作品とのマッチングが図られておりとてもうまくいっています。
滋賀県 守山市
曇り
反射を抑制
造形美の切り取り方
綺麗で面白い作品ですね。写真の構成を考えるとき、パターン的に画面全体に統一した流れを持たせることは良くありますが、複雑な形をしているはずのシダの緑を、水面の反射も含めてパターン化しています。きっちりとした輪郭を見せる実像と、輪郭を歪ませて見せる映り込みが画面に変化を与えています。構成にムダもありません。
撮影場所:オーストリア ウィーン ウィーナーバーグ弓道場
天候 :晴れ
日本を知る、和を知る。その為に弓を引く異国の人。
その佇まいは堂々としている。
弓道でのシーンですが撮影地は国内ではないとのこと。画面の構成はすべてが“和”でありながら、鋭いまなざしで的をにらむのは異国の男性。この構成が面白いですね。なんだか007シリーズのようなちょっと違和感を感じさせる和を表現しているようでとても面白い。しかもモノクロのトーンのコントロールもしっかりしており、良くまとまっています。
ペルーのクスコという町の近くに、urubambaという小さいな村があって、毎週水曜日周りの人たちがここに集まって、マーケットを開く。この女の子が自家のジャガイモを売っていました。
手も腕も顔もどろどろに汚れている少女。顔は汚れていますがとても美しい少女で、しかも印象的で強いまなざしをカメラに向けています。このシーンを捕まえただけでこの作品の価値は出てきます。やや荒れた画質もマッチしています。が、ブレを無くして撮影したいものです。また、ブレをごまかすためのシャープ調整は控えめにしましょう。
洞窟の中で祈る女性の上から光が射していました
光をうまく使った上手い写真です。写真は光を上手く使うことが重要。この写真を見るとその基本的なことを改めて知らしめてくれます。洞窟の中で香を焚きながら祈る老女が主役となっていますが、光も主役を担っており、また線香の煙がその光を見せるための最高の演出となっています。ついアップで撮りがちなシーンですが、よいフレーミングです。
サグラダファミリアにある螺旋階段。人が途切れることがなく、また狭い空間での一瞬。
螺旋を描くものをモチーフした被写体は四角い写真のフレームの中で非常に魅力的な造形美を見せてくれます。どうしても中心付近に螺旋の輪の中心を持ってくるパターンになりがちですが、そうなると被写体の魅力がキモになります。この作品ではサグラダファミリアの独特な表情を持つ階段を撮ることで植物を連想させる面白い作品となっています。
パプアニューギニアのヒリモアレ祭。
この老夫婦は、何度もこのお祭りを一緒に経験してきたのでしょう。
目を閉じて、身を任す。どんな想いが溢れているのか。
心はあなたの元に。
パプアニューギニアの現地の部族の儀式を受ける男性。受けている男性は現地ではない外国の方と見えますが、とても雰囲気のある作品となっています。焼き込みをすることはとても上手くいっているのですが、処理がとても粗いです。境目もあり、また階調が命のトーンをかなりいじめている部分があり、作品が良いだけにとても惜しいです。
日が沈むまで遊園地で遊び、夕日で空が染まる感じとジェットコースターを幻想的に撮ってみました。
ジェットコースターなどのアトラクションはモチーフとしてとても面白いもの。曲がりくねったコースは独特な造形を見せてくれます。ただそれだけだと飽きてしまうところですが、飯田さんの作品では空の表情のとても面白いタイミングでとらえています。多少の処理もありますが露出のコントロールも良いですね。
渓流で動物の骨を見つけ命の尊さを感じ撮影しました。
深い森のコケの生えた岩に鹿の頭骨が。面白いシーンを見つけていますね。光の当たり方も良く緑の中に白い頭骨が浮かび上がり、何かを語りかけているような表情をこちらに向けています。また頭骨の右側には伸び始めたばかりの杉が生えており、命の循環をも感じさせてくれます。ハイライトだけを処理しもう少しおさえるとよりマッチするかと思います。
長野県地獄谷でのショットです。小雪が舞う中、4時間粘りました。お猿さんは手を見て何を考えていたのでしょう。
地獄谷の温泉につかる猿はいろいろなところで見る機会がありますが、何度見ても面白いモチーフです。岩崎さんの作品では自分の手を見つめる幼い猿が写し止められていますが、じーっと手を見つめて止まっている時間がそこには写し止められていて面白いですね。やや余裕のある構図で空間ごとフレーミングしたことが上手くいっています。
愛知県設楽町での撮影です。
街明かりを強調させ、天の川の存在感を引き立たせてみました。
天体と風景を一緒に写す写真では動く天体と止まっている風景のどちらを優先するか迷いがちです。青木さんは星をメインとして風景は少しブラしてピントを外しながら、フィルターも併用することで上手くまとめています。地面や木々には色がほとんど無い大地と美しい天の川の組み合わせが、どこか違う星を連想させる面白い作品になっています。
テーブルフォトです。自作のトレイに水道水をいれて、タンポポ綿毛、水滴を水面(みなも)に写り込ませ、自作のスタジオライトを駆使してグラデーションを創り撮影しています。綿毛は少しの風でも揺れる為、静寂の中での撮影です。水滴が創りだすマクロの世界、ファンタジーな世界を表現したく小さな花々野草と組み合わせ日々挑戦しています。
タンポポの種や小さな花を水面において撮影されたテーブルフォト。とても綺麗ですね。まるで置物のようにタンポポの種が並び、水滴が宝石のように輝いています。村瀬さんのこの作風は他のコンテストでも見かけますが、とても安定したテクニックをお持ちですし、色使いのセンスもとてもよいと思います。マクロレンズの楽しさも伝わってくる写真です。
名古屋シートレインランドのメリーゴーラウンド。
これから回り出す瞬間を、自作のティルトシフトレンズで玉ボケの世界に包みこんでみました。
幻想の世界にポツンと一人、女性の後ろ姿がポイントです。
とても綺麗ですね。自作のティルトシフトレンズで撮影されたとのことですが、丸いボケがいくつも重なり、メリーゴーランドがとても幻想的に描かれています。通常のレンズでは周辺付近はいびつな形のボケになりますが、この作品ではかなり周辺に近いところまで綺麗な円、あるいはそれに近い形を保てており、自作レンズが力を発揮しています。
夜の海遊館で撮影。とにかく暗いのと動きが早いので何度も通いました。尻尾の部分だけに光が当たっているイメージ通りに撮れたのが今回の作品です。
水族館でのイルカの写真はたくさん見ますが、これは綺麗ですね。光がとにかく良いです。イルカの背びれあたりと尾にスポットライトのように当たり、また周りには光の筋ができておりとても幻想的です。ただ処理による強調演出も強めにかかっており、それ自体はかまわないのですが画質をかなり傷めてしまっているのがちょっと惜しいですね。
白鳥飛来地の池で撮影。
天候は曇りで、池も凍結しその上に雪が積もっている厳しい寒さの中でした。
羽を広げて寄り添う白鳥が近付いた一瞬でまるで抱擁しているかの様です。
厳冬期の白鳥の作品です。まず雪と白鳥と、画面全体が明るい白でまとめられておりそれだけでもさわやかで綺麗ですね。そこには向かい合い抱擁しているような白鳥が。その白鳥の羽の仕草のタイミング、二羽ともが口を開いて何かを語り合っているかのようなタイミングと、とても良いタイミングをとらえています。とても面白いですね。
よさこい佐世保祭りに参加した、役所の皆さんで結成されたチームです。
職場での普段の表情からは想像できない、気迫にあふれるに姿に感動しました。
この一枚から、よさこい祭りにかけるそれぞれの踊り子の思いが伝わると嬉しいです。
よさこいなどの大人数で揃って踊るシーンは被写体としてとても魅力的ですね。長谷川さんは画面すべてを同じポーズの踊り手で埋め尽くし、人間の仕草をパターン的に使って構成しています。この構成が上手く当たり、またモノクロで表現することで表情や腕の仕草などが際立ち、全体のバランスがとても良くなっています。もちろん表情もいいですね。
大阪府富田林
晴れ
子供を見守っている婦人の後ろ姿が印象的でした。
良い写真ですね。晴れ着を着た女児が奥に写り、それを見守る母親と思われる女性の後ろ姿がそれを見守っています。母親の表情は写っていませんが、その後ろ姿で見つめるまなざしが想像できてしまいます。母親も袴のような装いですので親子揃っての晴れの舞台でしょうか。そんな記念の日の貴重なワンシーンをとても上手に収められています。
石垣島の某ダイビングスポットにて …
クマノミの幼魚です。小指の第1関節位の小さな命ですが、カメラを敵だと認識し恐るおそるでしたが、一生懸命威嚇行動をしていました。
出来るだけ刺激しない様にそーっと接近し数カット撮ったうちの一枚です。クマノミの目にピントを合わせたつもりですが、細かく動き回りますのでややピン甘です。
とにかく綺麗ですね。まず色だけでも綺麗ですし、イソギンチャクの丸が並んでパターン的に見せ、主役でありまた強いアクセントとしてクマノミのオレンジが輝いています。クマノミのヒレの位置も良いタイミングですね。水槽の撮影と違い、海の中では体を安定させるのも大変ですので、その中でピントはやや甘めですがしっかり撮られています。
群馬県・南牧村三名瀑”線ヶ滝”を真冬に撮影。
一直線に伸びる綺麗な滝で、季節を問わず
撮影しに行くお気に入りの滝です。
均一に積み重なった氷が上下にブレている
ような視覚効果を生んだ、個人的に大好きな一枚です。
氷瀑の写真は数多く見ていますが、この作品を見た際にはブレブレの写真と思われましたが、よく見てみるとぶれていません。泡のように育った氷は中と外側で色が異なり、それが無数に重なり合うことで全体にブレたような独特な描写となっています。見た目にも綺麗ですし、だまし絵のような視覚効果がとても面白い作品です。
変な顔してると思ったら、無言でカピバラのモノマネをしていた2歳児。
見たときに説明抜きで無条件で笑ってしまった作品です。カピバラのまねをして歯をむき出して鼻の穴を広げている少年。その横にはその対象となるカピバラがまさに同じ表情でこちらを向いています。いいカットですね。言葉はいらないと思います。ただの家族の記念写真とは違った面白さにはこの作品にはあります。
不死鳥が降臨する瞬間をイメージしました。
ここまでメタリックでパキパキな感じだと、これも何だか不思議の世界、ですね。ましてや旅の始まり、終わりだとしても次の新しい章の始まり、つまりこれから何タイトルが言わんとしているシーンをとても良くビジュアル化しています。フィルターを使ったりあの手この手で幻想的な光を作り出しているのが良いのですが、それに加えてあれこれやりながら楽しんでいる青野さんが写真にも写っていてそういう意味で審査していて二重に楽しめました。これからもいろいろな世界観を表現してみてください。
そこにあるのはゲンジボタルの光だけでした。
その光だけで前景の立ち木がシルエットとして浮かび上がり、まるで格子窓のような
こちら側から窓の外に溢れる光を見ているような そんな一枚に仕上がりました。
比較明合成
すごいですねぇ。乱舞する無数のホタル。私も経験がありますがあまりに大量のホタルが光ると辺り一面が明るくなり木々がシルエットを描き出します。そんなシーンを福田さんは比較明合成で作成。実際に見るシーンに近いものを再現しています。今度はぜひ実際に大量のホタルが見られる場所を探して撮影してみてください。
この二匹は、何らかの理由で野良猫となり、人の手によって繁殖機能を手放した「さくらねこ」と呼ばれる猫です。
その証として片耳に切り欠きがあることが、名前の所以になります。
当初は喧嘩などで怪我をしてしまったのだと勘違いをしていたのですが、後にその事実を知って驚きました。
さくらねこのあり方は賛否両論ですが、この猫たちにとっては知ったことではないでしょう。どれだけ議論を重ねても、私たちの犯した罪は消えないし、この猫たちもまた命尽きるまで生きるしかありません。
そんな現状をこの二匹が静かに訴えかけているような。
ちょっと悪そうな猫の視線が面白いですね。フェンスの隙間から見える2匹の猫の目元のみが納められており、とても面白い構成になっています。コメントで書かれているさくらねこのテーマ性はこの1枚では表現しきれませんが、それを抜きにしても猫の表情とその2匹の目線のバランスと構図でとても面白く仕上がっています。
カバさんを90度回転させています。
最初見たときには自分の知らない動物の表情かと思いギョッとしましたが、よく見ると水面から顔を出したカバ。それが水面に映ることで左右対称の顔のように見せており、中本さんがそれを90度回転。うん、別の動物の顔に見えます。しかもスクエアにトリミングしたことでその鏡像に違和感を持たせないようにしているのは上手です。
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