すごい作品ですね。写っている被写体は特別美しいものではありません。しかし全体の色の構成、ドラム缶に見られる色、これらをうまく生かしてとても深みのある写真になっています。荒廃しているシーンであるはずなのに色彩はまだまだ強さを放っている。そんな微妙な矛盾を含みながら全体をうまくまとめて構成しています。
すさまじいインパクトの作品ですね。もちろん一次的にはこの描かれた画が持つパワーの強さが鍵になっているのですが、その横でひたむきにパステルを走らせる画家の熱意が伝わってくるシーンになっています。彩度が低い、色彩を抑えた表現がまたこの作品ではとてもマッチしています。画面上部と左をもっと切り詰めるともっと迫力が出そうですね。
筋肉質な腕が画面下から伸び、燃えるボールを手にして受け止めているようなシーン。よく見れば人物は像で、燃えるようなボールはまだまぶしさを保っている夕日。撮影地は分かりませんが、まるでアフリカの大地で撮影された人類の創生期をイメージさせます。それだけにタイトルにはもう一工夫欲しいところですが、良くまとまっている作品です。
シルエットで描かれた建物の連絡通路。最初はワンショットで撮られたものかと驚きましたが比較合成されたものとのこと。それでも同じ処理をすれば誰でも同じ構成にできるという訳ではなく位置や配置のセンスも求められます。作品が持つインパクトとタイトル通りにそれぞれの人間模様がしっかり画面全体で表現しており入選としています。
きれいな作品ですね。花火の作品は数多く応募されてきましたがそのほとんどが花火自体の火の色を見せるものでしたが、林さんの作品は観客も一緒に写し込んでいます。しかも単に画面に入っているというのではなく、ハーフNDを使用して花火と空の色を出しながら観客もちゃんと写しています。微妙に観客がブレているのも臨場感があります。
北海道知床のシマフクロウの写真は巷でよく見かけます。が、田村さんの作品はそのシマフクロウの表情がとてもよいですね。厳しい野生の表情とは違ってとても優しい愛くるしい表情をしています。また光の当たり方も良いですね。シマフクロウの正面から鋭い光が当たっており、目も輝かせています。もう少し枝が開けていると最高ですね。
長野県木曽郡王滝村の「自然湖」にて撮影。周囲の秋の色と湖面に映る枯れ立木の独特な表情を長秒でおさめてみました。
きれいなシーンですね。北海道の青の池の写真は有名ですが、緑に染まった水面に紅葉の色が彩りを添えた美しいシーンです。立木の白さも画面にコントラストを生み出し綺麗です。また立木の映り込みは縦に伸びパターン的な描写がこれまた美しいですね。ただちょっとシャープネスなどの処理が粗いので丁寧な処理を心がけましょう。
コンテストなどでもよく見かけるJAZZ KASA Artのいくつもの傘。見かける写真は晴れた日に青空をバックに撮影されているものが多いようですが、杉野さんの作品は雨の中撮影しています。晴れた日のような輝く色はないかもしれませんが、それでもカラフルで雨の日ならではの光線が傘とのマッチングもよく水滴の輝きが違った雰囲気に見せています。